鶴田浩二「シャツの店」
山田太一がドラマを作り続けるのってこのドラマの鶴田浩二が
1つ1つ手作りのシャツをその人物に合わせながら誇りを持って
作り続けてるのと似てるのではないかとちょっと思った。
今は何か買おうと思ったらまずネット、でもネットでしか
大切なものが売ってないって状態になる世の中はちょっとこわい。
好きな商品や物って店に買いに行く道とか選んでる時間とか
店員さんとのやりとりとか、そういう色んな思い出が残ってる
方が素敵な気がするのです。
「シャツの店」をはじめて見たのは10代の頃で今より
感動しなかったんだけど、そりゃ当たり前で10代そこそこ
の小娘がこの作品の意味などわかる訳がなかったのだった。
それにしても特筆すべきはやはり鶴田浩二の存在です。
この作品が正真正銘の彼の最後の映像作品ですが、今まで
皆が見たことのない鶴田浩二の連続で、
酔っ払ってバーのママにしつこくセクハラし続ける鶴田浩二、
逃げた嫁さんに未練があるのに正直に言えなくて嫁さんが
働いてる店に勇気をだして登場するも、中に入れなくて
恥ずかしくてイジイジしてる鶴田浩二、
バーのママの猛烈な誘惑に必死の思いで耐え続ける鶴田浩二、
どの鶴田浩二も素晴らしい。何より最後の最後までここまで
熱い何かを持って演技してたというのは、俳優ってすげえな、
って思いました。
キャリアを重ね続け、既に大御所中の大御所なのに
最後の最後でここまでさらけ出してギリギリのところで
役柄を生きている。だからこそ山田太一の役者を選ぶ目は
半端ないなぁと感じました。
その鶴田浩二の迫力が他のキャストに伝染してるのか、
この作品、画面に凄く力があるんですよ。酸素が薄い感じで
画面から湯気が出てきそうなぐらい。
そういう俳優さんたちの程良い緊張感がありつつ、ただ単に
亭主関白過ぎる頑固親父に嫌気がさした嫁(八千草薫)が家を
出て行く、ってだけの地味な話なのに、なんでこんなに面白いの?
それはあの山田太一が書いてるから、としかいいようが
ないドラマでした。
1つ1つ手作りのシャツをその人物に合わせながら誇りを持って
作り続けてるのと似てるのではないかとちょっと思った。
今は何か買おうと思ったらまずネット、でもネットでしか
大切なものが売ってないって状態になる世の中はちょっとこわい。
好きな商品や物って店に買いに行く道とか選んでる時間とか
店員さんとのやりとりとか、そういう色んな思い出が残ってる
方が素敵な気がするのです。
「シャツの店」をはじめて見たのは10代の頃で今より
感動しなかったんだけど、そりゃ当たり前で10代そこそこ
の小娘がこの作品の意味などわかる訳がなかったのだった。
それにしても特筆すべきはやはり鶴田浩二の存在です。
この作品が正真正銘の彼の最後の映像作品ですが、今まで
皆が見たことのない鶴田浩二の連続で、
酔っ払ってバーのママにしつこくセクハラし続ける鶴田浩二、
逃げた嫁さんに未練があるのに正直に言えなくて嫁さんが
働いてる店に勇気をだして登場するも、中に入れなくて
恥ずかしくてイジイジしてる鶴田浩二、
バーのママの猛烈な誘惑に必死の思いで耐え続ける鶴田浩二、
どの鶴田浩二も素晴らしい。何より最後の最後までここまで
熱い何かを持って演技してたというのは、俳優ってすげえな、
って思いました。
キャリアを重ね続け、既に大御所中の大御所なのに
最後の最後でここまでさらけ出してギリギリのところで
役柄を生きている。だからこそ山田太一の役者を選ぶ目は
半端ないなぁと感じました。
その鶴田浩二の迫力が他のキャストに伝染してるのか、
この作品、画面に凄く力があるんですよ。酸素が薄い感じで
画面から湯気が出てきそうなぐらい。
そういう俳優さんたちの程良い緊張感がありつつ、ただ単に
亭主関白過ぎる頑固親父に嫌気がさした嫁(八千草薫)が家を
出て行く、ってだけの地味な話なのに、なんでこんなに面白いの?
それはあの山田太一が書いてるから、としかいいようが
ないドラマでした。
「シャツの店」パート2
長くなりそうだったので2回に分けることにしました。
杉浦直樹が1人で歌う「傷だらけの人生」も良くて、
杉浦さんって地味なんだけど背筋がビシッと伸びてて軽妙洒脱で、
でも疲れがとれなくて、みたいな何ともいえない中年の色気
がイイですね。
あと、鶴田浩二と平田満のコンビネーションが素晴らしく
ドラマって俳優さん同志の相性って大きいことを再確認。
平田満と角替和枝との見合いのシーンはなんともいえない
哀しさとおかしさがあって、私はこの作品の平田満は
「蒲田行進曲」より好きかも。
美保純が当時の新人類の見本のような感じで出てきて
彼女が鶴田浩二を誘惑するシーンがあって、何ともいえない
面白さ。
これに出てくる鶴田浩二のようなどうしようもない頑固親父
ってたぶん私の父親ぐらいまで普通に存在してた頑固さだと
思うけど、最近は友達親子とかも増えてきてそれはそれで
いいんだけど、やっぱり、この鶴田浩二のような重さって
良いと思う。
世代的にどうしようもない溝のような部分があって、
それがわかったりわからなかったりするから世代間の対決
ってきっと面白いのかもしれない。
杉浦直樹が1人で歌う「傷だらけの人生」も良くて、
杉浦さんって地味なんだけど背筋がビシッと伸びてて軽妙洒脱で、
でも疲れがとれなくて、みたいな何ともいえない中年の色気
がイイですね。
あと、鶴田浩二と平田満のコンビネーションが素晴らしく
ドラマって俳優さん同志の相性って大きいことを再確認。
平田満と角替和枝との見合いのシーンはなんともいえない
哀しさとおかしさがあって、私はこの作品の平田満は
「蒲田行進曲」より好きかも。
美保純が当時の新人類の見本のような感じで出てきて
彼女が鶴田浩二を誘惑するシーンがあって、何ともいえない
面白さ。
これに出てくる鶴田浩二のようなどうしようもない頑固親父
ってたぶん私の父親ぐらいまで普通に存在してた頑固さだと
思うけど、最近は友達親子とかも増えてきてそれはそれで
いいんだけど、やっぱり、この鶴田浩二のような重さって
良いと思う。
世代的にどうしようもない溝のような部分があって、
それがわかったりわからなかったりするから世代間の対決
ってきっと面白いのかもしれない。
緒形拳「タクシーサンバ」
「シャツの店」の鶴田浩二の魅力に思いっきりやられて
しまったのですが、また同じ目に遭ってしまうとは。
今回は緒形拳。
緒形拳の表情が凄い。
いわゆる喜怒哀楽のどれにも当てはまらないような
はにかんだ表情が何ともいえないぐらいカッコいい。。
こんな柔らかい表情できるのはこの人ぐらいかもしれない。
緒形拳の80年代の映画で「家宅の人」や「櫂」「薄化粧」
など錚々たる監督達の作品で彼の流転や不倫やら濡れ場など
を散々見てきた私ですが、正直、緒形拳を男として魅力
あるかとか考えた事なかったのです。
そんな大作映画でハードな濡れ場を演じまくっていた緒形拳
より、たった1つの恋に悶々としてる緒形拳の切なさがこれほど
見るものの胸に切なく迫ってくるとは。
これはっ!「復讐するは我にあり」や「鬼畜」に並ぶ彼の
代表作ではないですか。
かといってドラマの彼らの方が映画より良いとかそういう
単純なことじゃなくて、山田さんは映画をホントに
好きなんだなあと何となく思ってしまったのでした。
鶴田浩二といい緒形拳といい、映画の世界の中で
凄まじい仕事をしてきた人たちに、山田太一は彼らの
素に近い部分のやさしさや強さが自然に滲み出るような
役柄の中で彼らのソコヂカラを見事にドラマで表現させて
ました。いや、やはり何か参りましたという感じ。
第2話の大原麗子演じる客との良くある恋愛話が良くて
ここまで深い大人の恋の話に昇華してるのは山田太一が
限りなく残酷な部分と恐ろしく優しい部分を同時に
持ち併せてるからかもしれません。
昔エリートで今はタクシードライバー役の緒形拳さんに色気
すらも感じますよ。
どうでもいいドラマが長時間放送されるなら嗚呼、こういう
作品こそ、全13話とかで放送して欲しかった。
個性的で魅力的な俳優ばかりで花沢さんの貫録に見とれて
しまいました。
女優でいえば大原麗子がとにかく可愛い!
最近、80年代前後のドラマを見ることが多く特に演出家さん
の並々ならぬ気迫を感じました。
もっとテレビの演出家さんもちゃんと正当に評価され続け
ないと本当に日本のTVドラマが本当に終ってしまう気がします。
しかし、このドラマ、音楽がすこぶる良いですね。
冒頭のクレジットの音楽がサンバからバラード調の曲に
なったり要所要所のシーンでその場に合った歌謡曲が流れたり。
やはりドラマは音楽、俳優、ストーリー、画面などの総合芸術
なんだなと改めて確認しました。
しまったのですが、また同じ目に遭ってしまうとは。
今回は緒形拳。
緒形拳の表情が凄い。
いわゆる喜怒哀楽のどれにも当てはまらないような
はにかんだ表情が何ともいえないぐらいカッコいい。。
こんな柔らかい表情できるのはこの人ぐらいかもしれない。
緒形拳の80年代の映画で「家宅の人」や「櫂」「薄化粧」
など錚々たる監督達の作品で彼の流転や不倫やら濡れ場など
を散々見てきた私ですが、正直、緒形拳を男として魅力
あるかとか考えた事なかったのです。
そんな大作映画でハードな濡れ場を演じまくっていた緒形拳
より、たった1つの恋に悶々としてる緒形拳の切なさがこれほど
見るものの胸に切なく迫ってくるとは。
これはっ!「復讐するは我にあり」や「鬼畜」に並ぶ彼の
代表作ではないですか。
かといってドラマの彼らの方が映画より良いとかそういう
単純なことじゃなくて、山田さんは映画をホントに
好きなんだなあと何となく思ってしまったのでした。
鶴田浩二といい緒形拳といい、映画の世界の中で
凄まじい仕事をしてきた人たちに、山田太一は彼らの
素に近い部分のやさしさや強さが自然に滲み出るような
役柄の中で彼らのソコヂカラを見事にドラマで表現させて
ました。いや、やはり何か参りましたという感じ。
第2話の大原麗子演じる客との良くある恋愛話が良くて
ここまで深い大人の恋の話に昇華してるのは山田太一が
限りなく残酷な部分と恐ろしく優しい部分を同時に
持ち併せてるからかもしれません。
昔エリートで今はタクシードライバー役の緒形拳さんに色気
すらも感じますよ。
どうでもいいドラマが長時間放送されるなら嗚呼、こういう
作品こそ、全13話とかで放送して欲しかった。
個性的で魅力的な俳優ばかりで花沢さんの貫録に見とれて
しまいました。
女優でいえば大原麗子がとにかく可愛い!
最近、80年代前後のドラマを見ることが多く特に演出家さん
の並々ならぬ気迫を感じました。
もっとテレビの演出家さんもちゃんと正当に評価され続け
ないと本当に日本のTVドラマが本当に終ってしまう気がします。
しかし、このドラマ、音楽がすこぶる良いですね。
冒頭のクレジットの音楽がサンバからバラード調の曲に
なったり要所要所のシーンでその場に合った歌謡曲が流れたり。
やはりドラマは音楽、俳優、ストーリー、画面などの総合芸術
なんだなと改めて確認しました。
山田太一「岸辺のアルバム」
昨日の朝10時から夜の10時近くまでぶっつづけて見てしまいました・・
やっぱ、面白い、面白いよ〜。太一って凄すぎ(呼び捨ててすみません)
いつものように時間を忘れて見入ってしまったのですが、このドラマは
何がイイかって主人公の国広富之が最高。今までは「トミーとマツ」の
トミー刑事の印象強かったですが、もう私の中では「岸辺のアルバム」の
国広富之ですね。
話がぶっとんでて、母ちゃん(八千草薫」は、うさんくさそうな優男(竹脇無我)
とまっ昼間から連れ込みホテルで浮気してるし、姉ちゃん(中田善子)はやたら
つんつんしてて性格悪い上に何故かアメリカ人にもて遊ばれた挙句、強姦
されて妊娠中絶、父ちゃん(杉浦直樹)は会社経営ピンチのために仕方なく
東南アジアの女性たちを人身売買するお仕事してるし、そんなことに
振り回されたあげく、トミーは3流大学も全部落ちて浪人。
モスバーガーで働く女性(風吹ジュン)には逆恨みされ、怪しげな女には
家をストーカーっぽく監視される。
そんなハチャメチャな設定の中でこの頃の山田太一作品の終盤での
お約束になってる主人公が今までの理不尽に耐えかねて爆発っぷりも
トミーは絶品。
ここまでのことをされたらもっと早くに怒っていてもかまわない状態だと
思うんだけど、トミーはぎりぎりまでがまんしてて、それも何か哀しい、
だけの男じゃなくて妙にほのぼのとしたペーソスを感じる男になってて
(私の中では勝手に)山田太一ドラマの登場人物では最強に魅力的。
山田太一の作品のことは前にかなり細かく書いていたので、魅力は死ぬ
ほど書きましたが、この作品でもやはり細かいディティールに拘っていて
素晴らしい。
トミーが母親の浮気現場のホテルの外で待ってる描写がたびたびあって、
つながれた犬の描写とかホテルの支配人と少年・トミーの心のふれあい
みたいなのもあってジーンとくるんだよね。
あと、自分のことを「自分はルックスもさえなくて何の魅力もないしがない男」
と言う津川雅彦の複雑さや、「ありがとう」シリーズのような明るさでもなく
「渡る世間は鬼ばかり」のような悪いだけの女ではない普通の沢田雅美
の存在感が面白くて、やはり山田ドラマは脇の俳優さんがキラリと
光りますね。
やっぱ、面白い、面白いよ〜。太一って凄すぎ(呼び捨ててすみません)
いつものように時間を忘れて見入ってしまったのですが、このドラマは
何がイイかって主人公の国広富之が最高。今までは「トミーとマツ」の
トミー刑事の印象強かったですが、もう私の中では「岸辺のアルバム」の
国広富之ですね。
話がぶっとんでて、母ちゃん(八千草薫」は、うさんくさそうな優男(竹脇無我)
とまっ昼間から連れ込みホテルで浮気してるし、姉ちゃん(中田善子)はやたら
つんつんしてて性格悪い上に何故かアメリカ人にもて遊ばれた挙句、強姦
されて妊娠中絶、父ちゃん(杉浦直樹)は会社経営ピンチのために仕方なく
東南アジアの女性たちを人身売買するお仕事してるし、そんなことに
振り回されたあげく、トミーは3流大学も全部落ちて浪人。
モスバーガーで働く女性(風吹ジュン)には逆恨みされ、怪しげな女には
家をストーカーっぽく監視される。
そんなハチャメチャな設定の中でこの頃の山田太一作品の終盤での
お約束になってる主人公が今までの理不尽に耐えかねて爆発っぷりも
トミーは絶品。
ここまでのことをされたらもっと早くに怒っていてもかまわない状態だと
思うんだけど、トミーはぎりぎりまでがまんしてて、それも何か哀しい、
だけの男じゃなくて妙にほのぼのとしたペーソスを感じる男になってて
(私の中では勝手に)山田太一ドラマの登場人物では最強に魅力的。
山田太一の作品のことは前にかなり細かく書いていたので、魅力は死ぬ
ほど書きましたが、この作品でもやはり細かいディティールに拘っていて
素晴らしい。
トミーが母親の浮気現場のホテルの外で待ってる描写がたびたびあって、
つながれた犬の描写とかホテルの支配人と少年・トミーの心のふれあい
みたいなのもあってジーンとくるんだよね。
あと、自分のことを「自分はルックスもさえなくて何の魅力もないしがない男」
と言う津川雅彦の複雑さや、「ありがとう」シリーズのような明るさでもなく
「渡る世間は鬼ばかり」のような悪いだけの女ではない普通の沢田雅美
の存在感が面白くて、やはり山田ドラマは脇の俳優さんがキラリと
光りますね。
TV版「道頓堀川」への思い入れ
NHKの銀河小説の「道頓堀川」は心に残ってるドラマで
いつかDVD化かTVの地上波で再放送してほしい作品です。
数年前に見たのですが、すごく良くてこの頃の銀河小説って
これほど良かったのか、とびっくりした記憶があります。
主人公は金田賢一と内藤剛志の若い青年。その2人を
見守る人物として藤田まことが道頓堀川の見える場所の
喫茶店のマスター役で出てました。
このTV版「道頓堀川」の評判はあまり聞かないのですが
私は深い感動がありました。
何故かというと私は宮本輝の作品ではもう断然「道頓堀川」
に思い入れがあって好きな作品なのですが、このドラマを
見た後の感覚が宮本輝の小説を読んだときのような、そんな
似た感覚があったんですね。
真っ暗な道をひゅーひゅーと風だけが吹きすさんでいるようなそんな
切なくて寂しくてちょっとだけあたたかい様な。
これはきっとドラマを作ってる人たちが原作の一番大切な
エッセンスを最大限にわかっていたからではと思えました。
音楽も凄く良かった。
宮本輝の作品は当の原作者が映像作品をあまり気に入らない
作品が多いというのは宮本輝関連の本で読んだことがあって、
例えば映画版の「道頓堀川」はかなり納得がいかなかったらしく
真田広之演じた青年には原作者の若い時が投影されていて大変
大きな意味合いのある役なのですがラストでいきなり死んでしまう
のでこれは原作者もファンも納得いかないのはわかる気がします。
でも私は深作監督の映画版も別の意味で凄く好きな作品なの
です。
作者からみても気に入る作品や気に入らない作品はあるでしょうが
TV版銀河小説の「道頓堀川」は宮本さん本人ももしかしたら気に入って
るんじゃないかな、って何となく思えてしまう作品です。
しかしやっぱりもう1度見てみたいなぁTV版「道頓堀川」
この作品の藤田まことは静の演技でしたが、ふつーの大阪のおっちゃん
って感じが逆に印象的で味わい深い感じでした。藤田まこと演じるマスター
は若い頃、大阪の闇市で知り合って好きで好きでたまらず一緒になった
女房(范文雀)が自ら呼んだ占い師の男と駆け落ちして、その後も
女房が帰ってきたりもがき苦しみ続ける役。
范文雀は宮本輝の作品でよく出てくるタイプの恋情に駆られて自ら堕ちて
しまうどうしようもなく女の業が強い女性を魅力的に演じてました。
その息子役の内藤剛志は自分の母親(范文雀)が死んだのは
父親(藤田まこと)のせいだと恨む青年役ですが、この内藤さん
も凄く良かったし、何より、主人公の金田賢一の目の色に若き日
の宮本輝の面影を感じて、ラストシーンは泣けてきました。
TV版はやはり色んな意味での名作だと思いますね。
(余談ですが「ピュア・ラブ」で昼ドラファンの間で一世風靡した忍さんが
この30年近く前の作品でも出ていてこれはかなり嬉しかった)
昨日はやはり藤田さんがお亡くなりになったことでかなり落ち込んで
たのですが、今日たまたま聞いたラジオである人が
「藤田さんはお亡くなりになってからもあちらの世界でいきいき
と演技をしてるような、そんな想像をさせてくれる。そんな俳優は
滅多にいないんじゃないか」
「あちらの世界で自分よりも先に亡くなられた人たちが藤田さんの
芝居を楽しみにしているかもしれないから、ここらでわたしらは
気持ちよく藤田さんを送り出してあげるという気分になった」
というようなことを言ってて、それを聞いたら、ああそうなんだよな、
と思って楽になりました。
自分はあんまり追悼とかするとあまりにも哀しくなるので苦手なのですが
でも、少しでも今後その人のことを思い出したり、作品を見たりすることが
生きている証というか、色んな人の中に残るのではないかと思ったり
してます。
いつかDVD化かTVの地上波で再放送してほしい作品です。
数年前に見たのですが、すごく良くてこの頃の銀河小説って
これほど良かったのか、とびっくりした記憶があります。
主人公は金田賢一と内藤剛志の若い青年。その2人を
見守る人物として藤田まことが道頓堀川の見える場所の
喫茶店のマスター役で出てました。
このTV版「道頓堀川」の評判はあまり聞かないのですが
私は深い感動がありました。
何故かというと私は宮本輝の作品ではもう断然「道頓堀川」
に思い入れがあって好きな作品なのですが、このドラマを
見た後の感覚が宮本輝の小説を読んだときのような、そんな
似た感覚があったんですね。
真っ暗な道をひゅーひゅーと風だけが吹きすさんでいるようなそんな
切なくて寂しくてちょっとだけあたたかい様な。
これはきっとドラマを作ってる人たちが原作の一番大切な
エッセンスを最大限にわかっていたからではと思えました。
音楽も凄く良かった。
宮本輝の作品は当の原作者が映像作品をあまり気に入らない
作品が多いというのは宮本輝関連の本で読んだことがあって、
例えば映画版の「道頓堀川」はかなり納得がいかなかったらしく
真田広之演じた青年には原作者の若い時が投影されていて大変
大きな意味合いのある役なのですがラストでいきなり死んでしまう
のでこれは原作者もファンも納得いかないのはわかる気がします。
でも私は深作監督の映画版も別の意味で凄く好きな作品なの
です。
作者からみても気に入る作品や気に入らない作品はあるでしょうが
TV版銀河小説の「道頓堀川」は宮本さん本人ももしかしたら気に入って
るんじゃないかな、って何となく思えてしまう作品です。
しかしやっぱりもう1度見てみたいなぁTV版「道頓堀川」
この作品の藤田まことは静の演技でしたが、ふつーの大阪のおっちゃん
って感じが逆に印象的で味わい深い感じでした。藤田まこと演じるマスター
は若い頃、大阪の闇市で知り合って好きで好きでたまらず一緒になった
女房(范文雀)が自ら呼んだ占い師の男と駆け落ちして、その後も
女房が帰ってきたりもがき苦しみ続ける役。
范文雀は宮本輝の作品でよく出てくるタイプの恋情に駆られて自ら堕ちて
しまうどうしようもなく女の業が強い女性を魅力的に演じてました。
その息子役の内藤剛志は自分の母親(范文雀)が死んだのは
父親(藤田まこと)のせいだと恨む青年役ですが、この内藤さん
も凄く良かったし、何より、主人公の金田賢一の目の色に若き日
の宮本輝の面影を感じて、ラストシーンは泣けてきました。
TV版はやはり色んな意味での名作だと思いますね。
(余談ですが「ピュア・ラブ」で昼ドラファンの間で一世風靡した忍さんが
この30年近く前の作品でも出ていてこれはかなり嬉しかった)
昨日はやはり藤田さんがお亡くなりになったことでかなり落ち込んで
たのですが、今日たまたま聞いたラジオである人が
「藤田さんはお亡くなりになってからもあちらの世界でいきいき
と演技をしてるような、そんな想像をさせてくれる。そんな俳優は
滅多にいないんじゃないか」
「あちらの世界で自分よりも先に亡くなられた人たちが藤田さんの
芝居を楽しみにしているかもしれないから、ここらでわたしらは
気持ちよく藤田さんを送り出してあげるという気分になった」
というようなことを言ってて、それを聞いたら、ああそうなんだよな、
と思って楽になりました。
自分はあんまり追悼とかするとあまりにも哀しくなるので苦手なのですが
でも、少しでも今後その人のことを思い出したり、作品を見たりすることが
生きている証というか、色んな人の中に残るのではないかと思ったり
してます。



